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TALK about the view.

サルベージと、この業界の話。

株式会社サルベージ
代表取締役社長 増田俊二郎

大手制作会社に10数年在籍し、バラエティ番組や音楽番組のプロデューサーなどを経験したのち、2008年に株式会社サルベージを設立。代表業や作品のクオリティチェックを行うかたわら、現在も番組プロデューサーを務めている。

サルベージ、とは。

現在、サルベージでは番組制作をはじめ、それに付随するアーティスト関連のCMやMV、ファンに向けての特典映像の制作、番組と連動した配信イベントなど、多種多様なコンテンツを手掛けています。時にはアーティスト本人と一緒に企画を考えることもありますが、基本的には実際に手を動かしてものづくりをするクリエイティブ集団です。


サルベージ -Salvage-

社名でもある「サルベージ」という言葉には、沈没しそうな船を引きあげる、救い出すという意味があります。実力があるのに口下手でも、コミュニケーション力があるのに技術が足りてなくても、そういう人たちも平等に活躍の場を与えたいという思いを込めています。

さらに、「サルベージ」には、業界を去ろうとしている人に向けて「もう少し頑張ろうよ」というメッセージも込められているのです。我々は、エンターテインメントに関わる全ての人にとっての「サルベージ」とありたいと願っています。

夢を持たなかった若者がエンタメの世界に魅せられて

私が学生だった30年くらい前、テレビ業界はまさに黄金期でした。勢いと華やかさのある業界に憧れる人も多かったですが、当時、派手な金髪で遊び回っていた私は全くそんなことを思いませんでし、大学卒業後もすぐには就職しませんでした。

結局、大学を卒業してから1年ほど経ったときに、「そろそろ働こう」と腹を括ったのですが、ネクタイを締めて9時から17時まで働く仕事は性格的に合わないな、と感じていました。

そこで考えたのが、勤務がとにかくハードで「雑用中の雑用」というイメージのあったアシスタントディレクター(以下、AD)の仕事でした。求人誌に載っていた数社に応募したら、どの会社も「明日にでも来てくれ」と即採用だったのです。今考えるとビックリですよね(笑)。最終的に数々のヒット番組を手掛けていた有名な制作会社に決め、これまでの自分を心配していた親やアルバイト先にも働くことをきちんと報告して背水の陣でADの世界に飛び込みました。

ADとして、さまざまな番組やイベントのコンテンツ制作に携わってから、大手テレビ局に出向して主にバラエティを扱うアシスタントプロデューサー(以下、AP)として働き始めました。タレントのキャスティングからお金の管理までを担うAPは、いわば番組づくりの要のような存在です。裁量も責任も大きく、今振り返ると人生で最もがむしゃらに働いた時期でもありました。APとして出向した2年半は、自分の仕事観に多大な影響を与えた時期でした。何十人、何百人が関わる大きな番組に携わっていると、驚くほどたくさんの方と出会います。キャスティングに長けているプロデューサーもいれば、細かな演出で魅せるディレクターもいて、自分の視界がさらに明るくなるような世界の広がりを感じました。仲間をつくって、可愛がってもらって、信頼し合って、時には助けてもらうといった、この業界で生きていくのに不可欠な人間関係の大切さを学ばせてもらいましたね。

そして、サルベージの歴史が始まったのは2008年のこと。ありがたいことに出向時代にお世話になった先輩方や、エンタメのトップを走るアーティストの皆さんにたくさんお声がけいただき、MVやCM、番組制作、配信イベントと業務の幅が広がっていきました。ご縁は今でも続いていて、日本中の誰もが名前を聞いたことがある、東京ドームを満員にできるようなトップアーティストの方々と共にエンターテインメントをつくり続けています。

半端な気持ちでつくった映像は、誰の記憶にも残らない。

サルベージの最大の強みは、「心が動いてしまう映像」をつくり上げる力があることです。アーティストやグループの番組を数多く手掛けるなかで、既存のファンはもちろん、関心が低い層やライトファン層に向けたアプローチも忘れません。メンバーの良さを最大限引き出しつつ、幅広い層にアプローチするためには自分が誰よりもファンであることが鉄則。企画が決まったら、まずは彼らが「何をすれば魅力的に見えるのか」を徹底的に考えるところからスタートします。「面白いけどカッコ良くは見えないよね」「意外なかわいさを引き出せそう」「楽しい企画だけど、周りの人を不快にしないか」など、あらゆる角度から考え抜きます。

時にはSNSや過去の番組などを見て勉強もしますが、努力してファンになるというよりは、彼らと真摯に向き合っていくなかで自然と「ファン以上のファン」になっていく感覚ですね。

もちろんコンテンツの種類によっても意識すべきポイントは異なります。たとえば、ファンクラブ動画だと熱狂的なファンの心を揺さぶるような、­ここでしか観られない特別な映像を届けなければなりません。テレビの数分間には映らない、珍しいメンバー同士のじゃれあいや、ミュージックビデオ制作の裏側、後列メンバーにスポットを当てる瞬間などが求められていますからね。実際に普段はおとなしいメンバーに話を聞くと、誰より熱い想いを抱いていて、その気持ちを伝えられる場を求めています。彼らの想いを汲み取って、うまく紡ぎ、画面の向こうのファンに届けることこそがサルベージの存在意義なのです。

「とりあえず仕上げとけばいいでしょ」という半端な気持ちが少しでもあると、必ず反映されますし、そんな映像は誰の記憶にも残りません。目指すのは、ふと見た人の心を動かせる映像です。「サルベージが制作している番組ってやっぱりわかっているよね」と言われる番組をつくり上げるためにも、この信念はブレずに持ち続けたいですね。

社員に伝えたい言葉、想い。

私自身、編集や撮影を現役でやる立場ではないですが、だからこそ常に「見る人」の視点で映像をチェックし、時にはアドバイスもします。作品を夢中でつくり上げるのがディレクターの役割ですが、視野が狭くなることも多く、第三者の視点では状況や理由がわからず辻褄が合わないというカットもあります。特に、テレビ番組で毎週見ている人しかわからない内容にしてしまうと身内感が出て、先ほどお話ししたように番組をふと見た人の心を動かすことはできません。だからこそ、「いつ、誰が、どこから見てもわかる内容」へと間口を広げていくことが大切なんです。

また、仕事をするうえで「信頼」が、何よりも大切であることも社員に伝えたいですね。相手に信頼してもらうよう求めるだけでなく、自分が信頼してもらえる人間でないと信頼関係は成り立ちません。約束や時間を守るといった最低限の要素はもちろん、相手の気持ちを汲んで先回りする心配りも必要です。

たとえば、今は便利な世の中で、届いたメッセージをコピペすればすぐ別の誰かにも転送できますが、原文のまま転送すると相手に伝わりづらいこともあります。ほんの少しの手間ですが、「Aさんから○○の件で〜〜ときているので、××について相談をしたいです」と少し打ち替えてくれるだけでも好感を持ってもらえるようになるじゃないですか。相手の気持ちを想像しながら一つひとつの言動をかえりみるといった大切さもサルベージで学んでもらえるとうれしいですね。

きっと今日以上に、明日は楽しい。
ここは働く喜びを味わえる場所。

ありがたいことに、ここ数年で新卒採用者も増えています。ハードワークなイメージが強いテレビ業界ですが、近年は働き方改革が進み、­しっかり働いてきちんと休むワークスタイルが確立されつつあります。実際に、現在のサルベージ社員の男女比は半々で、若手女性社員も多いですね。

大きな夢を抱いて入社してくれた子たちのために、自分自身が意識していることも実はいくつかあります。たとえば、よく社員から「焦っている現場での社長の『大丈夫だよ』が心強い」と言われますが、ピンチのときに「おいおい、マジかよー!」と怒鳴っている社長なんて絶対に嫌じゃないですか。時には大変な局面もありますが、そういうときこそ部屋に入る前に深呼吸したり、口に出す前に思考を整理したりすることが大切です。私の言動が良い意味でも悪い意味でも影響を持つことは理解しているので、話し方や距離の取り方には十分配慮しています。

サルベージの主業務は番組制作ですが、だからといってずっと縛られる必要はありません。ドキュメンタリーやバラエティなど、経験を積みながらステップアップする過程で「自分の夢!」という確かなものを見つけてほしいですね。

テレビ業界は、頑張れば頑張るほど夢に近づける場所です。「世の中に出るのは嫌だ」なんて言っていた若者(自分)が、何十年も続けられているのが何よりの証明ではないでしょうか。心の底から大笑いしたり、仲間と喜び合ったり、これ以上ない充実感を味わえる仕事は他にはないと思いますし、実際にこの仕事を辞めたい、つまらないと思ったことは一度もありません。今だってもう明日の仕事が楽しみだし、この歳になっても恥ずかしながら毎日ワクワクしています(笑)。充実感、達成感、成長意欲といった全ての要素が詰まった世界にぜひ飛び込んできてほしいです。

いい映像は滅びない。変革の時代だからこそ、「エンタメの可能性」を信じて進む。

サルベージは、たった一人で看板を掲げたあの日から16年が経ち、今では50〜60人規模にまで成長しました。コロナ禍で業界に暗雲が立ち込めた瞬間もありましたが、とにかくエンタメが持つ大きな力を信じて突き進んできました。時代によって求められるものも移り変わりますが、だからこそ、テレビ業界は面白くてたまらないんです。

アフターコロナへの転換で、著しい回復を見せるエンターテインメント業界。もちろんコロナ前と全く同じ状況ではありませんが、アーティストやファンの皆さん、そして我々のような制作陣が今まさに「新時代のエンタメ」を築き上げている最中だと思っています。

変革する時代に沿って、ひたむきに前に進んでいかなくてはなりません。ゴールのない世界だからこそ、我々は「エンタメのことはサルベージに頼めばちゃんとやってくれるよね!」といった信頼を得られるような、心が動いてしまうコンテンツをこの先もつくり続けてまいります。

会社概要

会社名株式会社サルベージ
住所105-0021
東京都港区東新橋1-8-3
汐留エッジ7F
電話番号03-6264-6154
FAX番号03-6264-6176
創業2008年4月
代表取締役増田俊二郎
資本金10,000,000円
取引銀行みずほ銀行/りそな銀行
業務内容テレビ番組を中心とした映像作品の企画・制作
許可労働者派遣事業許可番号 派13-308213
労働者派遣法に基づくマージン率等に係る情報提供